製品例詳細情報
シルエットパズルとして Tangram を木製パズル(その1)としてすでに紹介しました。
シルエットパズルとは、与えられたシルエット(図形の外形)あるいは幾何学的形状を与えられた同一の1セットの断片図形ピースを用いて再現するパズルです。
今回の清少納言智恵板:木製パズル(その3)も、 Tamgram 同様シルエットパズルです。
清少納言智恵板の知名度は高くないと思いますがいかがでしょうか、ご存知でしょうか。
清少納言智恵板の図形ピースは7個であり、 Tangram と同数です。
図形ピースの内訳は直角二等辺三角形(大2個、小1個)、等脚台形(1個)、台形(1個)、平行四辺形(1個)、正方形(1個)となっています。
Tangram の起源は中国、清少納言智恵板は日本です。
文献上は Tangram は1813年と推定され、いっぽう清少納言智恵板は江戸期寛保2年(1742)ですので Tangram より先に生まれたことになります。
清少納言は権威づけのために利用されたようで実際上は無関係のようです。
今回は廃材のタモ材を用い、収納ケースはスギ材で製作しました。
材料:
本体及び木枠ケース;タモ材
木枠ケース;スギ材
底板;シナ合板
サイズ:
本体;60mm(W)×60mm(D)×12mm(H)
木枠ケース;80mm(W)×80mm(D)×18mm(H)
塗装:無し
仕口 [*]:木枠ケースの側板同士は留め接ぎ [*] です。
清少納言智恵板と Tangram を比較してみましょう。
Figure 1 をご覧ください。
左が清少納言智恵板であり、右が Tangram です。
形状とサイズが一致するピースとしては、中サイズ(左;紫、右;黄色)の直角二等辺三角形1個、小サイズの(左;薄紫、右;空色)の直角二等辺三角形1個、平行四辺形1個、正方形1個の合計4個です。
形状的には左には右に無い等脚台形と台形が各1個あります。
直角二等辺三角形に関しては、左には中サイズが1個、右には大サイズ(左;赤色と桃色)が2個と小サイズが1個とあります。
Figure 1 7個の図形ピースの比較:清少納言智恵板(左)とTangram(右)
注記:[*]で表記した用語は、用語解説(glossary)で図解を使って説明してありますので、ご覧いただき用語の意味をご理解願います。
なお清少納言智恵板に関しましては、わたしのBlogをご訪問ください。
⇒ MyBlog:木製パズル(その3)
清少納言智恵板という名称は、江戸期寛保2年 (1742) に出版された書籍「清少納言智恵板」に由来してます。
この書籍にはシルエット課題とその解答が42例記載されています。
Photo. 1 に第一、第二、第三課題を示しました。
上の写真は、第二課題の「花生;はないけ」の解答となってます。
書籍「清少納言智恵板」のシルエット課題:
右から第一課題(八角かがみ)、第二課題(花生;はないけ)、第三課題(崩家;くずや)
Photo. 1 に書籍「清少納言智恵板」に記載されているシルエット課題の中の第七、第八、第九課題を示しました。
この書籍には、正方形状の課題として二例あげられています。
すなわち第七と第八の「色紙」と「同組ちがい」です。
つまり正方形状の解答としては、2例あるということです。
解のひとつは、この記事の最初の写真です。
上の写真は、正方形の別解となります。