製品例詳細情報
アートフレーム、フォトフレーム、額縁(フレーム製品と総称することにします)などは、框[*]の構成を取ります。
一般的には角材の框構成では、角材の接合は枘(ほぞ)接ぎ[*]を採用し強度を上げます。
しかし額縁では通常は板厚が厚くなく角材ではなく板材ですので、枘(ほぞ)接ぎは採用できません。
それではどうするかというと、板材を突き合わせ接着させる手法(突き合わせ接合)をとります。
このとき、釘などの締金具を併用する場合もあります。
フレーム製品では、突き合わせ接合の中でもほとんどの場合留め接ぎ[*]を採用します。
この理由は、留め接ぎでは材の木口[*]が隠れるため見栄えがよくなるからです。
しかしながらこの留め接ぎは、木口同士の接合となるため最も脆弱な接合となります。
そのためフレーム製品の留め接ぎでは、多くの場合挽き込み留め接ぎ[*]とし強度を上げることがよく行われます。
挽き込み留め接ぎは、木製品製作上は比較的手間の要するものとなっています。
そこでこの度はこの留め接ぎではない突き合わせ接合でアートフレームを試作してみることにしました。
通常のフレーム製品では板材の幅を10mm~20mm程度ですが、今回は縦材30mm、横材45mmと大きく取りました。
これは接着面積を大きくし、強度を上げるためです。
また単なる突き合わせ接合では簡素すぎ面白味に欠けるためる、框を構成する4枚の板材の対向する2枚の接合部に欠きを入れるデザインとしてみました。
単なる突き合わせ接合よりも、接着面が欠きの部分だけわずかですが増え強度にも貢献する効果も期待できます。
材料:
横材;モミ材
縦材;シルクウッド材
ウィンドウ材;1mm厚アクリル板
マット:厚紙
裏板;合板
サイズ:430mm(W)×460mm(H)×12mm(D)
塗装:柿渋[*]
仕口[*]:框の4枚の板材のうち対向する2枚の接合部に欠きを入れ、隣接する板材を突き合わせ接合にし接着剤で固定してます。
板材の木端には半径24mmの丸面取り加工[*]、框のコーナーには半径7.9mmの丸面取り加工[*]をしてます。
フォトフレームに関しては、下記事項をご参照ください。
MyHomepage: フォトフレーム
縦材に加工した欠きと丸面取りをご確認ください。
シルクウッド縦材とモミ横材の木目、材質の非調和が面白味を出していると思いませんか。
縦材に加工した欠きと丸面取りをご確認ください。
シルクウッド縦材とモミ横材の木目、材質の非調和が面白味を出していると思いませんか。