製品例詳細情報
●框(かまち)
今あなたは自宅の室内にいるとお考えください。
身の回りの木製品として、木製家具があり、お部屋の仕切りにはドアがあり、あるいは和室であれば障子あるいは襖があるかもしれません。
木製家具には戸、例えば開き戸、扉、引戸があるでしょう。
これらの家具製品の戸あるいは建具のドア、障子、襖は、木製の矩形の木枠から構成されています。
これらの矩形の木枠は、おおむねこれから述べます框の構造を取っています。
つまり和の家具・建具の核心は、これから述べます框ともうしあげても過言ではありません。
Photo.1 をご覧ください。
框は、基本的には4本の角材から構成されます。
4本の中で、鉛直方向の2本を縦框(たてかまち)水平方向の2本を横框(よこかまち)と呼びます。
縦框と横框は、かまちの用途により各種の仕口(しくち、しぐち)[*]で接合されます。
Photo. 1 框
●基本方向
さて木材には基本方向が存在します。
Photo. 1 をご覧ください。切株の写真です。
この写真に示しますように、3種類の基本方向が存在します。
1)軸方向、幹軸方向、繊維方向:longitudinal direction
2)放射方向、半径方向:radial direction
3)接線方向:tangential direction
基本方向が問題になるのは、木材が湿気で膨張する現象、すなわち膨潤においてです。
木材の膨潤の程度がこの基本方向で差異が出るため、すなわち異方性があることに注意を払う必要が出てきます。
次に板目材と柾目材を例に挙げて、それぞれの板材の基本方向がどうなっているかを検討してみましょう。
Photo. 2 をご覧ください。
板目にしろ柾目にしろ、次のように要約できます。
1)軸方向:木目の走る方向、通常の板材の長さの方向
2)接線方向:木目と直交する方向、通常の板材の幅の方向
3)放射方向:通常の板材の厚さ方向
Photo. 2 板目材と柾目材での基本方向(写真引用:http://wp1.fuchu.jp/~kagu/siryo/mokuzai.htm)