製品例詳細情報
●蟻(あり)
蟻とは日本の伝統的建築に使用されている基本的継手(つぎて)・仕口(しぐち)です。
蟻は、2本の角材を直線状に接ぐ継手(つぎて)あるいは直角に接ぐ仕口(しぐち)として使用されたものです [L2]。
Figure 1 は、直角に接ぐ仕口(しぐち)を示しています。
角材Bの突起した楔状の枘(ほぞ)部を蟻と呼んでいます。
他方角材Aの嵌め合い部は、蟻穴と呼びます。
蟻である楔状の突起物(枘)の木口の形状は矩形であり、角材Bの面の形状が台形であることに十分注意してください。
なおなぜFigure 1の楔状の突起物(枘)を蟻と呼んだのかに関しては、MyBlog/スツール兼サイドテーブルを製作しました:蟻組接ぎに関しての疑問!!!をご覧ください。
Figure 1 蟻と蟻穴
● 蟻形吸付き桟接ぎ(ありがたすいつきざんつぎ)
テーブルなどの天板の木目(繊維方向)と直角に蟻形の溝を掘り、蟻形の桟木をはめ込む接手を蟻形吸付き桟接ぎ(ありがたすいつきざんつぎ)といいます。
これにより天板のそりを防止することができます。
Figure 1 をご覧ください。
Figure 1 蟻形吸付き桟接ぎ(ありがたすいつきざんつぎ)(写真引用:https://kagu-diy.com/diy/mokkou/sori)
●蟻(あり)組み接ぎ
組み接ぎにおいてほぞを楔状にして、一方からだけしか抜き差しできないようにした接手です。
蟻組接ぎの一例をFigure 1 に示します。
Figure 1 蟻組接ぎの一例
次に嵌め合う前の状況をFigure 2 に示します。
ここで注意すべきことは、板材Aの突起物の木口形状は台形ですのでこの部分を蟻というのは間違いです。
他方、板材Bの突起物の木口形状は矩形でありその面の形状が台形ですので、この部分が蟻というのが正しいと考えられます。
この辺りの事情は、MyBlog/スツール兼サイドテーブルを製作しました:蟻組接ぎに関しての疑問!!!をご覧ください。
Figure 2 蟻組接ぎの嵌め合う前の状況:蟻を示しています。
● 板矧ぎ(いたはぎ)
すり合わせ矧ぎを参照。
●板目
幹軸に含まない面に出現する木目を板目と呼びます。
多くは山形の複雑な模様が出現します。
また丸太を板目が出るようにカットした板を板目と呼ぶこともあります。
Photo. 1 を参照ください。
Photo.1 板目と柾目(写真引用:https://www.mituyasu.com/crust/1039)