製品例詳細情報
●折敷(おしき)
折敷とは、精選版日本国語大辞典によれば " 檜の片木(へぎ)で作る角盆。食器などを載せるのに使った[1] " と記載されています。
折敷とよく似たお盆は、同辞典によれば " 浅い縁のある、物をのせて運ぶための板状の具。材質は木、金属、プラスチック、竹などで、形も方形、円形など種々ある[2] "
と記載されています。
この定義はかなり狭義に規定していますが、両者の差異をきわだたせるのには好都合です。
つまりは、折敷とは盆のカテゴリーに含まれます。
しかしながら、材質は桧材(木材)で形状は角形でありかつまた物を乗せて運ぶような使用はしない食器など載せるために使用する盆と規定されます。
[2]: https://kotobank.jp/word/%E7%9B%86-134950
●回転型4方十字組手(かいてんがたしほうじゅうじくみて)
Photo.1 をご覧ください。
正方柱状の角材3本から構成された4方十字組手です。
組み上げの際に角材の1本を回転する操作があることから回転型と呼んでいます。
なお回転型4方十字組手の原理に関しては、 MyBlog (⇒ 回転型4方十字組手(3本組木)技法の原理) に詳しく解説していますのでご参照ください。
●欠込み(かきこみ)
接合する2材のうち、一方の材はそのままに、他方の材のみを欠き込んで作る場合に欠込みといいます[L2]。
Figure. 1 をご覧ください。
継手仕口の基本形です。
この用語集で十字相欠き接ぎ手を解説していますが、十字相欠き接ぎ手では接合する2材を両方欠き込んで作っています。
この十字相欠き接ぎ手の一方の材は欠き込んでいない場合を想像してください。
その場合が欠込みとなります。
十字相欠き接ぎでは、2材が接合した際には面一となります。
しかし欠込みでは、2材は面一とはなりません。
Figure. 1 欠込み
左:接合前の2材、 右:接合後の2材;面一にならない
他方欠込みでは、一方の材が未加工となりますので接合を外した際には見栄えが良いという利点があります。
従いまして、接合を脱着するような用途での家具では利用すべき特徴を呈してきます。
Figure. 2 をご覧ください。
製品例のボビンラックでは脱着可能な脚にこの欠込みを適用しています。
⇒ なお欠込みを適用した製品例のボビンラックの詳細は、ボビンラックの製品例詳細情報をご覧ください。
Figure. 2 欠込み:製品例のボビンラックの脚部への適用例
●柿渋(かきしぶ)
柿渋は平安時代から使用されている日本固有の伝統的な材料です。
(1) 製法:「渋柿を圧搾し、搾汁から製造する方法」と「渋柿に加水、腐熟させる方法」の2種類があります。
製造法によってカキタンニン含有量が異なるので、用途や柿の品種(地域)によって異なります。
(2) 効能化学成分:渋柿中の柿タンニンが発酵過程で酸化・重合化したポリマーです。
(3) 効能:耐摩耗性、耐水性、防水性、撥水性、防腐性など多岐にわたります。
(4) 用途:木材・紙の塗料、布の染色剤の他、サプリメント、医療、金属捕捉剤、ガス補足材などの用途があります。
[参照サイト]
●肩付き片胴付き大入れ接ぎ(かたつきかたどうつきおおいれつぎ、-おいれつぎ)
片胴付き大入れ接ぎの男木のほぞの片側を除去し全面胴付きとし(この部分を肩と呼ぶ)、それに応じて女木の溝を除去した組手を肩付き片胴付き大入れ接ぎ(かたつきかたどうつきおおいれつぎ、-おいれつぎ)と呼びます。
この組手により見付からほぞが見えなくなりすっきりとした外観となります。
Photo. 1をご覧ください。
この仕口を肩欠き片胴付き大入れ接ぎと呼ぶこともあります。
男木の木口の木端付近の部位を肩と規定しそこにほぞを欠いてることから肩欠きと呼ぶのではないかと推察されます。
いっぽう小口の木端付近の部位のほぞがない部位を肩と規定すると肩付きと呼ぶのではないかと推察されます。
要は肩という術語の定義の差異により呼称が変わるものと考えられます。
Photo. 1 肩付き片胴付き大入れ接ぎ(かたつきかたどうつきおおいれつぎ)
左:男木と女木の構造、 右:嵌め合い